若者と行政職員のDX時代を考える勉強会

勉強会概要

名称:『若者と行政職員のDX時代を考える勉強会』
講師:経済産業省官僚、石倉英明様(島根県庁職員)

日時:2023 6/23(金)

勉強会の様子

 まず経済産業省官僚の方には「大阪・関⻄万博の最新の動向」と題して講演していただきました。万博という世界が注目する一大イベントが現在どのように進行しているのか、またその背景にある思想は何なのかを話していただきました。発達する科学と技術の紹介にとどまらず、それを次の世代に伝えていくこと、また次の世代が行動に移せるような環境を作ることが重要とのご指摘に一同共感していました。さらに「若い世代・学生たちに直接お話できる機会は非常に貴重である。今後も頑張っていただきたい」とのお言葉をいただき学生一同身の引き締まる思いがしましたところです。

 続いて石倉様には「観光DX 話題:島根でこんな取組してみました。(観光部局ではない、技術職の我々が)」と題した講演をしていただきました。行政官としての取り組みがどのように企画・実践されるのかという、観光政策の舞台裏をユーモアを交えつつ赤裸々に語っていただきました。加えて、石倉様の行政官としての経験から得られた知見も共有していただきました。お金があればすべてが解決するわけではなく、現状を解決するためにできることを探し、身近な人を巻き込んでいく姿勢が大切だという実感を共有していただきました。

GEILメンバーの感想

両方とも観光という話題ですが、万博は国家レベルでの取り組みである一方、後者の島根県での取り組みは自治体から始めるものです。それぞれ自分たちがもつ文化を発信していきたいという共通点があります。その一方で、規模の違いにより当然戦略も異なってきます。双方に通じるものと相違点を考えながらお話を聞くと、興味深かったです。(一橋大学法学部 2年)

経産省官僚の方のお話からは、万博で世界に日本の魅力を発信するという、前向きで創造的なお仕事をされている様子を学ぶことが出来ました。政府の取り組む仕事の中には、このような活気と創造性のある仕事もあると分かり、行政に対するイメージが広がりました。石倉先生のお話も興味深く、大変刺激になりました。 巨額の資金を用いた壮大な事業でなくても、少人数で出来る範囲の小さな工夫で変化を起こせるという点は、私達がこれから政策について考えるにあたり大切にすべき視点だと感じました。(東京大学文科一類 1年)

石倉様には、島根県の高速道路開通という目標を発端として、これまで行われてきた取り組みをお話いただきました。紹介された取り組みは、イニシャルコストが低く、気軽に実践できるものの、観光客にとっては魅力的なものばかりで、私自身も実際に行ってみたいと思いました。また、アプリやSNSなど、既存の仕組みに融合しやすいような工夫をされている点も興味深く、観光施策としての本質を捉えていると感じました。さらに、視察やパンフレットの作成といった、当人の「やってる感」ではなく、民間の人や他の施設を巻き込み、地域全体の結果を追求している点も印象に残りました。石倉様のそのような姿勢が、資金に頼らず結果に繋げている理由だと感じました。(上智大学法学部 2年)

経産省官僚の方のお話からは、大阪・関西万博を一過性のものではなく、何年も前からプレリリースをして盛り上げる事前のイベントに加え、開催後にも開催して終わりにしないように工夫を施そうとしている姿に感銘を受けつつ、それはラグビーワールドカップや東京五輪、WBCなどの国際大会では毎度話になる難しい課題であり、今後の動向に注目したいと思った。
石倉さんのお話はぜひコンテスト参加者の方にも聞いてほしいと思った。何かと政策は補助金を出す、という案になりがちだが、お金ではなくウィットに富んだ方法でお金をかけず世論を動かそうとしていく姿は大変逞しかった。(早稲田大学基幹理工学部 2年)

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