【2分で2daysGEIL③】-問題意識を抱き、理想を描く

第1回、第2回にかけて、2daysGEILで設定したmission・課題文の根本にある問題意識を確認しました。実際のGEILのイベントでは、CB(ケースブック)という知識集を読み込んで膨大なインプットを行いながら現状の分析をします。分析を進める中で問題領域を特定し、理想状態を設定。その後、現実と理想状態との乖離を埋めるための手法を考案していくという流れをとります(下図参照)。この一連の流れの中で、mission・課題文に立ち返りながら自らの問題意識や意見をチーム内で共有し、合意形成を重ねて、最終的に政策案を作り上げます。最終回となる第3回では、各チームがどんな問題に着眼し、どんな理想を描き、その解決のためにどんな手法を考案していったのか、その一部を紹介していきます。

 

「貧困と、それに伴う不登校の子どもたちへのアプローチ」

 

着眼点

 

  学習に対する無気力が1番問題だと感じ、不登校の理由に無気力が多くあったため、そういった子どもに焦点をあてることにしました。

 

 

 

そこで、理想状態を以下のように設定しました。

 

 

 

 

政策案の概要

 

 貧困とそれに伴う家庭環境の悪化によって不登校になった子どもに手を差し伸べたいと意見が一致し、彼らに平等な教育機会を提供したいと考えました。具体的な施策としてはオンラインを中心とした教育機会と精神サポートの場を用意し、それに連携した形で実際に彼らの居場所を整えることを挙げました。

 

「様々な困難を抱える子どもの”孤立”へのアプローチ」

 

着眼点

 

 様々な困難を抱える子どもの現状を踏まえ、彼らが根本的に憲法上定められるような平等な教育を受け健全な成長をする環境が整っていないことが問題だと考えました。その最大の要因として、学校を始めとする社会の中での困難を抱える児童の孤立に注目し、政策を立案しました。なぜなら孤立は、個々の持つ困難を深刻化させ、彼らのすぐ傍にあるはずの教育環境の価値を失わせてしまうからです。

 





 

そこで、理想状態を以下のように設定しました。

 

 

政策案の概要

 

 政策を立てた際のキーワードは「児童自ら声を上げずとも行き渡る支援」です。困難を抱える子供が自らそれを客観的に認知し、積極的に支援を求めていくことは難しいからです。そのための政策を2つ立案しました。



 

 一つ目は教員の養成課程の改善です。教員が子どもの抱える社会問題について、社会学的な見地から理解を持ち、児童に対し否定的な姿勢でなく支援できるよう教職課程コアカリキュラムの更新を提案しました。

 

 二つ目はスクールカウンセラーの改革です。児童の居場所、相談相手として教員、家庭に続く第三の可能性となれるよう、スクールカウンセラーのアクセスの改善、カウンセラーが進んで生徒に話しかけられるような環境の改善を提案しました。

 

互いの役割としては、一つ目が大規模かつ長期にわたる改善となることを踏まえ、短期的な改善を補う政策として二つ目の政策が存在しています。

 

「外国にルーツを持つ子どもたちへのアプローチ」

 

着眼点

 このチームでは、外国ルーツの子どもたちに着目しました。彼らが抱える孤独感が学習意欲を削ぎ、日本語学習の負担、サポートの不足も意欲に関わると考えられます。そして母語教育が不足しているのではないかという問題に着目しました。母語を話すことができないと、親との会話ができなくなり、論理的思考力を磨くことが難しくなります。そんな母語の教育は子どもの母語により提供すべき支援が異なり、また日本語教育が優先されてしまっていることから現行政策に穴があると感じました。

 

そこで、理想状態を以下のように設定しました。

 

政策案の概要

 

ICT技術を活用して外国ルーツの子どもを包括的に支援する政策を立案しました。



 具体的には外国ルーツの子どもたちのオンラインコミュニティを設け、孤独感の解消を図ります。また、日本語教育を体系的に提供し、遍在する子どもたちにも提供できるようにします。そして母語教育のためのコンテンツの提供も行います。オンラインコンテンツの提供には指導する人材が少なくて済むので、人材不足の問題が解消されます。国が主導してこの事業を進めることで、これまでのNPO頼りで地域差が大きかった学習支援を全国一律で行えるようになります。

 

「子どもが親からの影響を強く受けてしまうことへのアプローチ」

 

着眼点 

 

 私たちのチームは親から子への影響に注目しながら議論を進めました。その中で、親の背中を見て育つことしか出来ないが故に負の連鎖が起こっているという問題意識を抱きました。

 

 そこでまずは、全ての子どもが広い視野から自分の選びたい人生を考え、主体的に学習環境を利用しながらその道を実現できることを理想状態と置きました。また、加えて、学習に困難を抱える子どもの多くに共通する問題として親子間のコミュニケーションが充実していないという点に着目し、子どもが親から進路への理解を得て必要な支援を引き出せることを目指しました。

 



 

政策案の概要

 

 上記の議論をふまえ、キャリア教育と親子間コミュニケーションの充実化を二本の柱とする政策パッケージを考案しました。

 

 キャリア教育については、高校選びという初めての進路選択を前にした中学生に対して詳細で多様なロールモデルを提示することで、奨学金制度の利用等学習環境を利用した進路実現を具体的に描けることを目標にしました。親子間コミュニケーションの充実化については、第一子の出産を控えた親に、保護者講習会を義務付けることしました。さらにコミュニケーション不足が特に深刻と考えられる父子家庭に対しては、現行支援政策の利用を促し、働き方改革を行い、移民一世の子どもに対しては、Edutechと外国人コミュニティを利用した母語教育の開発を行うこととしました。 

 

 約15時間という限られた立案時間で、各チームはそれぞれの問題意識をもち、理想を描き、その実現のための政策を形にしていきました。「学生が政策を考えたって、何も変わらない」それが真実かどうかは自分次第。

 

夏の11日間のコンテストで本気の立案が出来る環境を整え、お待ちしております。

現在、夏に開催される「学生のための政策立案コンテスト2020」の参加者を募集中です。

全国の大学生・大学院生のみなさま、ぜひご参加ください。

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