Spring GEIL 2019

2019年3月18日から20日の2泊3日に宿泊型の政策立案コンテストが開催された。日本全国から大学生・大学院生が集まり、「外国人技能実習生問題」解決のための政策立案に取り組んだ。雇用者・学者・当事者など様々な視点の意見を取り入れた政策案は最終日に政治家や学者らに提言された。

外国人技能実習生問題

「技能実習生の労働・人権状況を改善する政策を立案せよ」

外国人技能実習制度の前身は、1960年代後半から海外の現地法人等で社員教育として行われていた研修制度である。出身国での修得が困難な技能を、日本において企業や個人事業主等の実習実施者と雇用関係を結ぶことによって修得・熟達を図るというものである。

国際社会における日本の役割を果たすために設けられたこの技能実習制度であるが、制度及び技能実習生を巡る問題は後を絶たない。

日本人の実習実施者によるセクシュアル・ハラスメントやパスポートの取り上げ。帰国を強要される等のハラスメント。劣悪な労働環境。上がらない低い賃金。暴力やいじめ。そういった過酷な状況に耐えきれずに失踪する、あるいは最悪の場合、命を絶ってしまう技能実習生もいる。技能実習生による窃盗や殺人といった日本における犯罪も増加傾向にある。失踪者や犯罪者の増加の裏には、借金等、技能実習生側の問題もあれば、偏見や差別等の日本人側の問題もある。また、技能実習生が本人の意思では実習先を変更できない等の制度上の問題もある。

技能実習生をめぐる諸問題には様々な要因が複雑に絡み合っており、解決することは容易ではない。しかし、日本は現在人口が減少傾向にあり、生産年齢人口も同様に減少している。技能実習生をめぐる諸問題を解決することは、日本のために必要不可欠である。

72時間の戦略策定

全国から集まった30人ほどの大学生。出身や大学・学年・専攻などバラバラな初対面の学生4人でチームを組み、1つの政策案を創り上げていかなくてはならない。

3日間、政策立案に熱中する。有名な学者の方による基調講演から始まり、当事者や有識者へのヒアリングを経て、最終日には政治家や学者たちに自分たちの政策を提言する。2日目には夜3時を超えるまで議論を行い、自分たちの納得の行く政策に仕上げていく。

全員が想いを持っているからこそ、妥協は許されない。しかし、4人で1つの政策にまとめなくてはならない。チームでの議論において、合意形成を行い建設的な意見に進めていく、その能力こそがこの72時間にも及ぶ戦略策定で得られる最大の能力なのではないか。

Our feature

72時間の

戦略策定

全国から集まった30人ほどの大学生。出身や大学・学年・専攻などバラバラな初対面の学生4人でチームを組み、1つの政策案を創り上げていかなくてはならない。

3日間、政策立案に熱中する。有名な学者の方による基調講演から始まり、当事者や有識者へのヒアリングを経て、最終日には政治家や学者たちに自分たちの政策を提言する。2日目には夜3時を超えるまで議論を行い、自分たちの納得の行く政策に仕上げていく。

全員が想いを持っているからこそ、妥協は許されない。しかし、4人で1つの政策にまとめなくてはならない。チームでの議論において、合意形成を行い建設的な意見に進めていく、その能力こそがこの72時間にも及ぶ戦略策定で得られる最大の能力なのではないか。

当事者へのヒアリング

Day2のヒアリングでは、

指宿 昭一様(暁法律事務所 弁護士日本労働弁護団常任幹事 外国人労働者弁護団 代表)

ナイ・ノク様(カンボジア人元技能実習生)

岡本 昌宏様(セリエコーポレーション社長)

の3人にお越しいただき、お話を伺った。指宿様には技能実習制度そのものの構造・問題点について、ノク様にはご自身の経験から現場での問題やそれを受けた心情について、岡本様からはどのように技能実習生を受け入れていて、彼らがどのような人生を送っているのかといった優良事例について話していただいた。

ヒアリングを経て、それぞれのチームでの議論が机上の空論から、より現実に落とし込んだものに変わった。また、現場の声を聴くことによって、改めてこの問題を解決しなくてはならない、といった主体性も強まった。

Our feature

当事者への

ヒアリング

Day2のヒアリングでは、

指宿 昭一様(暁法律事務所 弁護士日本労働弁護団常任幹事 外国人労働者弁護団 代表)

ナイ・ノク様(カンボジア人元技能実習生)

岡本 昌宏様(セリエコーポレーション社長)

の3人にお越しいただき、お話を伺った。指宿様には技能実習制度そのものの構造・問題点について、ノク様にはご自身の経験から現場での問題やそれを受けた心情について、岡本様からはどのように技能実習生を受け入れていて、彼らがどのような人生を送っているのかといった優良事例について話していただいた。

ヒアリングを経て、それぞれのチームでの議論が机上の空論から、より現実に落とし込んだものに変わった。また、現場の声を聴くことによって、改めてこの問題を解決しなくてはならない、といった主体性も強まった。

関係者へ政策提言

最終日には、学生が立案した政策を4名の有識者の方に審査していただいた。

山田章平様(厚生労働省年金局事業管理課給付事業室長)

山浦彬仁様(NHKディレクター)

福島伸享様(前衆議院議員)

玉川傑洋様(EY新日本有限責任監査法人インフラストラクチャー・アドバイザリーグループコンサルタント)

厳正なる審査の結果、最優秀賞に選ばれたのはAチーム。現場での人権問題などの要因として第三者機関に着眼し、送り出し機関を通じた実習生の送り出し国との連携や監理団体の業務の適正化、さらにそれを通じた受入企業へのアプローチの政策を立案した。Aチームの政策案についてはこちら

また、講評の時間では、現実の問題を解決する上で先々の理想社会を描くことの重要性や、政策や国の仕組みについて問題意識を持ちつつ捉えることの必要性など、幅広く身のある貴重なお話を頂けた。

Our feature

関係者へ

政策提言

最終日には、学生が立案した政策を4名の有識者の方に審査していただいた。

山田章平様(厚生労働省年金局事業管理課給付事業室長)

山浦彬仁様(NHKディレクター)

福島伸享様(前衆議院議員)

玉川傑洋様(EY新日本有限責任監査法人インフラストラクチャー・アドバイザリーグループコンサルタント)

厳正なる審査の結果、最優秀賞に選ばれたのはAチーム。現場での人権問題などの要因として第三者機関に着眼し、送り出し機関を通じた実習生の送り出し国との連携や監理団体の業務の適正化、さらにそれを通じた受入企業へのアプローチの政策を立案した。Aチームの政策案についてはこちら

また、講評の時間では、現実の問題を解決する上で先々の理想社会を描くことの重要性や、政策や国の仕組みについて問題意識を持ちつつ捉えることの必要性など、幅広く身のある貴重なお話を頂けた。

Students reviews

Participant's voice

得られた知見の量ははかり知れませんが、不正を働く団体があったとき、それを法が取り締まることの難しさを知ったことが最も大きいと考えます。法以外のインセンティブも巧みに考えながら政策を組んでいくことの難しさを肌で感じました。
宋裕進さん
東京大学 理科一類
日本国民一人一人がが自分ごととして捉えるべき大変重要なテーマについて議論することができ、大変良かったと思っています。審査員の方からも学生に対して真摯で、厳しいフィードバックをしていただき、大変貴重な経験となったと感じています。
大川順さん
京都大学公共政策大学院

Media

当イベントは開催前から多くのメディアに取り上げていただきました。特に、朝日学生新聞社の方には当日取材にお越しいただき、4月28日付の朝日中高生新聞に掲載されました。

弊団体ではこれからも情報発信に努め、学生の社会課題に対する考えの結晶である政策案を発信してまいります。

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