RIETI(独立行政法人経済産業研究所)上席研究員_関沢洋一_勉強会報告

<勉強会概要>

名称:『EBMとEBPM』
講師:関沢洋一
日時:’23 2/27(月)@上智大学

<勉強会の様子>

勉強会の中で関沢様は、EBPMの中でも特にその端緒となったEBM(Ebidence Based Medicine)について触れられ、がん検診や健康診断が有用であるかどうかをエビデンスを通じて検証していく過程を紹介していただきました。
また、エビデンスとして最も信頼性が高いと言われる、RCTとシステマティックレビューについて、専門的なお話を聞くこともできました。インフルエンザ薬であるタミフルは、実はきちんと効果が検証されていなかったといった、衝撃的なお話も出てきました。
最後に「政策に関わるエビデンス収集のために色々な実験をすることは、単純に知的好奇心を満たしてくれるという要素もある」との趣旨のお話がありました。淡々とお話される姿とは裏腹に、やはり研究者だなと思わせる情熱を窺い知ることが出来、実りある勉強会となりました。

<GEILスタッフの感想>

RCTによってA群とB群に分け、真実に近づこうとする営みはとてもわくわくするものなんだなと思いました。EBPMという文脈の中で語ると硬く聞こえるものですが、私たちの生活の中でも重要な視点だと思います。
英語教育のシャドーイングやスラッシュリーディングといった、「っぽいもの」が本当に実効性があるのか、解明されれば良いなとしみじみ思いました。(一橋大学社会学部2年)

健康診断や健康指導による効果は思いのほかないという点は、とても驚いたし、気になった。一度始めてしまうとそれが本当に効果があるのか検証することはしづらく、またビジネス的観点からやめづらい、というのは理解できた。また、既存のデータを今まで以上に活用するという方向性は興味深いものだった。EBPM全般について、補助金の投下等に関して、不採択の企業のデータが取れないためRCT的に効果検証ができないという視点は今までなかったので勉強になったと思う。RCTは時間がかかるけれど、モデル化等で実際に実験をせずともシミュレーションをすることはどのくらい進んでいるか、気になった。(一橋大学経済学部1年)

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