東京工業大学教授_調麻佐志_勉強会報告

<勉強会概要>

名称:『科学技術社会論・科学技術政策』
講師:調麻佐志
日時:’23 4/3(月)@zoom

<勉強会の様子>

調教授には、本年度GEIL23代が扱うテーマである科学技術イノベーション政策(以下簡易のため科学技術政策)について講義して頂きました。科学技術政策は単に研究開発への公的支援なのかということについて、科学技術政策の歴史や教育、産業、経済分野にも関わるその性質をもとに伺ったのち、科学そのものとは何か?その性質とは、ということを辞書通りの科学観の脆弱点を考えた上で捉え直しました。また、科学にとっての合理性と社会が求める合理性は必ずしも一致しないことを水俣病の例から見つめました。

特に、PCR検査の特異度を所与として受け入れることで生じた実際の失敗を紹介してもらったことが印象的でした。このお話を通じて、いかに現代日本社会の研究者や学生が、所与として受け入れていた物事に疑問を持ち、仮説を立て検証することができなくなっているか、科学的思考が欠落しているかを再認識しました。

<GEILスタッフの感想>

科学史に出てくるポパーやクーンの話は以前から知っていたが、文脈の中で捉えるとまた違った見方ができると思った。
水俣病の科学的な実証が数十年後であったのは驚きだった。一口にエビデンスと言ってもどこまでそれを突き詰めて政策立案をしていくかの判断は極めて難しいと思った。(一橋大学社会学部2年)

調先生の話は、PCR検査に関する前提の重要性と、科学的思考の重要性を強調している点で、非常に興味深かった。現代社会においては、情報が容易に入手できる一方で、その情報の正確性や信頼性に対する疑問が少なくなっている傾向がある。このような状況下で、研究者や学生たちが疑問を持ち、自分で情報を検証することが重要であることを改めて認識できた。また、今回の勉強会から、科学的思考が日常生活や社会全体において重要だと改めて認識した。全体的に、今回の勉強会は科学的思考を促す上で非常に有益な内容であると感じた。(早稲田大学基幹理工学部1年)

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