2019年、大学入試制度改革についての話題が、大きく世間を騒がせたことを覚えていますか? 様々な問題点が指摘され、特に英語民間試験の導入に関する「身の丈に合わせて頑張って」という発言が議論を呼びました。「すべての人に平等であるべき教育が、『身の丈』によって左右されていいはずがない」、そんな批判が多く聞かれました。しかし実際は、今までも生まれ育った環境によって、子どもの受けられる教育は規定されてきたのです。経済的状況、居住地、保護者の学歴、家庭の文化、進学期待—-。一見子どもが主体的に選択した進路に見えても、それまでには成育環境が大きな影響を及ぼしています。努力でさえも、それを促進してくれる環境の賜物と言えるかもしれません。そのうえ、成育環境が将来を規定するというこの構造は連鎖しており、教育は格差を再生産する機能も持っていると言えるでしょう。

 この格差と再生産は、一方では長年問題視されながら有効な手立てが打たれず、一方では社会の当然として容認されてきました。しかし、大学進学という道を選んだ私たちが、多様な人生を視野に入れながらこの古くて新しい問題を問い直すことには、大きな意義があるはずです。2020年、GEILはこの教育格差の問題に真摯に向き合います。私たちと一緒に、ぜひ考えてみませんか?

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